さくら「ねぇ?」


〇「ん?」


さくら「私が溶けてなくなっちゃうって言ったら…どうする?」


〇「溶けるの?」


さくら「もう!比喩に決まってるでしょ!」


〇「くくくっ…」


さくら「わかってて言ってるじゃん…」


私を揶揄うのは賀喜〇〇くん


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小さい頃からの幼馴染


私は昔から〇〇くんが好き


だけどそれは伝えてない


恥ずかしいからとか、怖いからとかじゃない


理由がある…


〇「どうした?元気がないな?」


さくら「ううん!!そんなことないよ!」


〇「それならいいんだけど、てか次は移動教室だから行くぞ」


さくら「うん!今行く!」


化学室に向かう。


もうすぐ高校も卒業する。


そうなれば〇〇くんとも会えなくなっていくと思う…


それが悲しい…それが苦しい


さくら「……」


〇「やっぱりなんかある?」


さくら「ううん…」


髪を触りながら否定する


“ピタッ”


さくら「〇〇くん?」


〇「うそだ…」


さくら「嘘じゃないよ」


〇「こい!」


“ぐいっ”


さくら「え!?」


さくらの手を引いて、化学室とは反対の屋上に続く階段に向かう。


“バンっ!”


屋上の扉を勢いよく開ける。


さくら「ま、〇〇くん!授業始まっちゃうよ!」


〇「いいから座れ!」


地面にドカっと座る〇〇とその横にそっと座るさくら。


〇「言いたいことがあるなら言え!」


さくら「なんもないよ…」


〇「それは嘘だってわかっている!さくらは嘘をつくのが下手だ!」


さくら「…そんなことないもん」


自分でもわかっている…私が嘘が下手なのを…


それに〇〇くんは昔から私の嘘にすぐ気づく。


それでも本当のことを言うわけにはいかない


さくら「………」


〇「なぁ…何を考えてるんだ?何がさくらをそんなに不安にさせてる?」


あぁ…どうして、〇〇くんは私の不安に気づいてしまうの…


どうして、いつも私の心の恐れに気づいてくれるの?


嬉しい…嬉しいけど、この思いは言葉にできない


さくら「………」


〇「俺には言えないことか?俺じゃあ頼りないか?」


そんなことない…昔から〇〇くんは私をどんな時でも助けてくれた


苦しい時、悲しい時、嬉しい時…どんな時でも隣にいてくれた


だけど言えない…言えないよ………


言ったら困らせちゃう…


あぁ…苦しい…苦しいなぁ…


さくら「っ…」


“ツッゥゥ…“


天を仰ぐさくら。


“ぎゅっ”


〇「泣かないで…さくらは悪くない…」


さくら「えっ…」


〇「さくらの不安も恐れも俺には拭ってやれない…それどころか俺が原因だろ?」


さくら「それは…」


〇「さくら聞いてくれるか?」


さくら「なに?」


〇「俺はさくらが…“・・・・・”」



〜〜〜〜〜



あの日から半年後、私達は卒業した


私は大学に、〇〇くんは…


“コンコン”


“どうぞ”


中から声がする


さくら「こんにちは、体調はどう?」


〇「あはは、今日は良いほうだよ」


頬がこけて、目も落ち窪んでる


それでも笑顔な〇〇くん


面会も3週間ぶりにできた


〇「また考え事?」


さくら「ううん」


髪を触りながら否定する


〇「ふふっ…」


さくら「どうして笑うの」


〇「また嘘ついてるでしょ?」


さくら「え?」


〇「俺はさくらの嘘はわかるって言っただろ?」


さくら「〇〇くんはいつでも前向きだね?」


〇「ふふっ、そうだろ?」


さくら「どうして前向きでいられるの…こんなにも苦しんでるのに…」


細くなってしまった腕に手を添えるさくら。


〇「そんなの決まっているだろ?さくらが会いにきてくれるからだよ…あの日、俺の告白受けてくれた、死んでしまう俺のそばにいるって決めてくれた」


さくら「それは私も好きだったから…」


〇「それでも1人になってしまうとわかっていても俺を受け入れてくれただろ?普通はできないもんだよ」


いつでも〇〇くんは優しい…


さくら「っ…」


“ツゥゥゥウ”


〇「ふふっ」


“なでなで”


〇「本当にさくらは泣き虫だな?大丈夫、大丈夫だから」


暖かい…か細い手なのに


こんなにも暖かい手…あぁ…神様お願いします


私の大切な人を溶かさないで…


いつまでも隣に寄り添わせて…




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この作品はフィクションです。


実際の人物・団体・場所とは関係ありません。


またこの作品内の表現や行動はあくまでも、


作品としてなので、実際に行っても、


責任は取りかねますのでご了承ください。